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記憶と睡眠の関係。「睡眠で記憶が定着する」って本当?

こんにちは!

薬剤師・心理セラピストの大西智子です。

「眠らないと記憶は定着しないから、試験前の一夜漬けは効果がない」という話を聞いたことありませんか?
あたかも「常識」のように語られている話ですが、実は記憶と睡眠の関係は、そんなに単純なものではないのです。
「睡眠で記憶が定着する」って本当?_20180531_1

まず最初に、記憶の分類について、ご紹介しましょう。
記憶は「短期記憶」と「長期記憶」に分けられます。
さらに長期記憶は「陳述記憶(顕在記憶)」と「手続き記憶(潜在記憶)」に分けられれます。

短期記憶とは、「耳で電話番号を聞いて電話をかける」などのような瞬間的な記憶のことを言います。
一方、長期記憶とは、時間が経っても残る記憶のことです。
このうち、知識や体験など、言葉にできるものを陳述記憶、泳ぎ方や自転車の乗り方など、言葉にしにくいものを手続き記憶と呼びます。

この3つの分類のうち、「手続き記憶」については、練習後に睡眠を取ることで定着度が高まることが、イスラエルのワイツマン研究所の研究により実証されています。
例えばゴルフ練習場に行って、長時間練習しても上達が感じられなかったのに、翌日になると急にうまくなっていた、ということが起こるのは、睡眠による定着度のためなのです。

一方で、練習後に一晩徹夜して、翌日にしっかり眠っても、技能は上達しないことも、わかっています。

こういったことから、ゴルフのスイングや楽器演奏など、運動の負荷が低く、熟練が必要な動作の場合は、夜間に練習してその後ぐっすり眠ることが、上達を早めるために効果的なようです。
「睡眠で記憶が定着する」って本当?_20180531_2

また、短期記憶の能力も睡眠によってアップすることが、滋賀医科大学精神医学講座の栗山健一准教授らの研究から分かっています。
さらに、眠った後は「ひらめき」が出やすくなることも、ドイツのリューベック大学の研究チームによって確認されています。

唯一、受験勉強などの「陳述記憶」と睡眠の関係のみ、現時点でははっきりしていません。
そのため、冒頭にご紹介した「眠らないと記憶は定着しないから、試験前の一夜漬けは効果がない」は、正しいとも正しくないとも言い切れないのです。

陳述記憶について、更なる研究が期待される一方、短期記憶、手続き記憶については、睡眠をうまく活用していきましょうね。

 
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